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フィクションこそが我々が生き残った理由
我々の祖先は「ホモ(ヒト)・サピエンス(賢い)」と言われる種族だが、ホモ・サピエンスには兄弟姉妹、いとこ達がいた。
ヨーロッパとアジア西部の人類、ホモ・ネアンデルターレシス(ネアンデル谷(タール)出身の人)、アジアのもっと東側に住んでいたホモ・エレクトス(直立した人)は200万年も生き延びた、インドネシアのジャワ島のホモ・ソロエンシス(ソロ川流域出身のヒト)、フローレス島にいた小柄な人々、ホモ・フローレシエンシス、シベリアのデニソワ洞窟のホモ・デニソワ、東アフリカのホモ・ルドルフェンシス(ルドルフ湖出身のヒト)、ホモ・エルガステル(働くヒト)、そして、ホモ・サピエンス。
このような多くの種族の中で、なぜ我々ホモ・サピエンスだけが生き残っているのか?
本書の著者であるユヴァル・ノア・ハラリさん曰く、それは、「虚構する力」のおかげだと言います。
10万年前の地球には、少なくとも6つの異なる人の種が暮らしていた。複数の種が存在した過去ではなく、私たちしかいない現在が特異なのであり、ことによると私たちが犯した罪の証なのかもしれない。(中略)伝説や神話、神々、宗教は認知革命に伴って初めて現れた。それまでも「気を付けろライオンだ!」と言える動物や人類種は多くいた。ホモサピエンスは認知革命のおかげで、「ライオンはわが部族の守護霊だ」と言う能力を獲得した。虚構すなわち架空の事柄について語るこの能力こそがサピエンス言語の特徴として異彩を放っている。虚構のおかげで私たちは単に物事を想像するだけでなく、集団でそうできるようになった。そのような神話は大勢で柔軟に協力すると言う空前の能力をサピエンスに与える。アリやミツバチも大勢で一緒に働けるが彼らのやり方を融通がきかず近親者としかうまくいかない。ところがサピエンスは無数の赤の他人と著しく柔軟な形で協力できる。だからこそサピエンスが世界を支配し、アリは私たちの残り物を食べ、チンパンジーは動物園や研究室に閉じ込められているのだ。
映画やドラマ、本にはその力がある
よく「妄想できることは実現する」と言われますが、我々ホモ・サピエンスがここまで進化した過程には、妄想しその物語を多くの人が信じ、全く会ったこともない人々が同じ目的に向かって集団で行動するという夢みたいな能力を手に入れたことが大きいとのこと。
映画やドラマ、本などのフィクションを見ても我々はそれらが全て嘘だと知りながら、それでもその世界を楽しみ、場合によっては自分の考えを大きく変えてしまうようなことがよくある。
認知革命、農業革命、科学革命そして、
認知革命で、「言葉や妄想」を手に入れ、農業革命で「蓄積と格差」が起き神話と武力で国家を作り、科学革命で、「わからないことは神様の仕業」から脱却した人類。
ここから先はどんなフィクションを信じながら生きていくことになるのか楽しみです。
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これ良さげです。1万円くらいで買えるしちょっと試してみようかな。