【書評】「ついやってしまう」体験のつくりかた

2021年4月23日金曜日

おすすめ本 仕事

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はじめに

著者の玉樹さんは、任天堂のWiiの企画担当者で、2010年退社後八戸市にUターンして独立起業された方とのこと。
最も初期のコンセプトワークからハードウェア、ソフトウェアネット、ワークサービスの企画開発すべてに横断的に関わり、Wiiのエバンジェリスト、プレゼンを最も数多くした男と呼ばれる
同年代で、転職している年代なども近く何やら勝手に親近感を持ってしまいましたが、書いてある内容は、とても勉強になる内容ばかりで勝手に親近感持ったのが恥ずかしくなるくらいです。

言葉にすることの重要性をもう一度認識する

どんなサービスであるべきなのか?
ユーザーにどんなベネフィットを与えたいのか?
何を作りたいのか?
何のためにあるのか?

ご自身が担当しているサービスやシステムにおいて、そう自問することはどのくらいありますか?
そしてその考えをきちんと文章化して関わる人々と共有していますか?

基本中の基本ですが、実は日本の会社でやっている人はほとんどいないのではないでしょうか?

私も必要なことだと認識しながら、なかなかやってこなかったし、やってこなかった人間ばかりの組織だと、やらないことが普通になってしまってそれをちゃんと明文化しておきましょう!そのために1週間使いましょう!とはならないのが実情ではないかと思います。

本書は、もう一度基本に立ち返って、「これはなぜこうあるべきなのか?」をきちんと認識してそれを言葉として明文化することの大切さを思い出させてくれる本なのではないかと思います。

スーパーマリオは何をしたら勝ちのゲームなのか?

スーパーマリオはなぜ売れたのでしょうか?
その答えを導き出すためにも、ゲームにおけるもっとも大切な問い
スーパーマリオは何をしたら勝ちなのか?
について、あなたは答えられるでしょうか?



「クッパを倒せば勝ち」
これこそが最も多い誤答です。
いやいやクッパは間違いなくこのゲームの最後のボスじゃないか。
誤答のはずがないと思われるかもしれませんが、、、

例えばサッカー。
ボールをゴールに入れれば得点、ボールに手を触れてはいけない、といった基本ルールを知らなかったら遊べませんよね。
だから事前にちゃんとルールを伝えないといけません。
大切な事は最初に伝えなきゃだめ。

一方スーパーマリオ冒頭では「クッパを倒せば勝ち」なんて一切プレイヤーに伝えていません。
どこにもクッパのクの字もありませんよね。
という事はつまりクッパを倒せば勝ちと言うルールはゲームの基本となるものではなく枝葉でしかないんですね。
同様の理屈で「クッパにさらわれたピーチ姫を助ければ勝ち」も誤答になります。

要は一番大切なルールはゲーム冒頭に真っ先に伝えることだと言う事なんですが、、、

どうでしょうか?答えられますでしょうか?
答えが知りたい方はぜひ本書を手に取っていただければと思います。

実は私は答えられてしまったんですよね。この問題。
子供のころに、紙に手書きでスーパーマリオもどきのゲームを書いて友達と遊んでいたことがあって、そのときに気づいてしまっていたんですね。スーパーマリオっぽいゲームにするためには何をどうすれば、スーパーマリオっぽいと言える?と考えていたので。

ヒントは、「いっき」ってどんなゲーム?と考えた方がわかりやすいかもしれないです。
(「いっき」なんて知らない若い方にはすいません。)

「私たちが提供している価値」を考え続けること

本書は、スーパーマリオの例以外にも、ドラゴンクエストや、ラストオブアス、風ノ旅ビトなどが教材として出てきます。
私は、ドラゴンクエストまではど真ん中でしたが、ラストオブアス、風ノ旅ビトは残念ながらついて行けなかった。。悲しい。

ゲームって、本当に「ついやってしまう」体験の宝庫、というかそうでないと買ってもらえないサービスですよね。

現在では、ゲームのみならず、YouTubeの番組でも子供が食いついて離れない番組があったりします。大人からすると、これの何がそんなに面白いの?と思うことも多々あるのですが、よーく観察していると、実は明確な価値があったりします。

例えば、まいぜんさんのマインクラフトの番組では、ぜんいちさんは、頭がよくインテリで真面目で、マイッキーはおとぼけキャラですぐやられるんだけど憎めないという二人の関係性のルールがある上で、マインクラフトってこんな遊び方できるんだぁという発見がある。水戸黄門のように決まったパターンの上で、様々な遊び方を見れるので、見る方はある程度安心して見ていられる。(あくまでも私が子供を観察しながら感じた感想です)

我々がユーザーに提供すべき価値とルールは何なのか?それは、すぐに気づいてもらえる価値とルールなのか?を問いかけ続けることはどんな仕事であれ、本当に大切なんですね。

参考図書



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なんかぼーっとしていると、どんどん無駄なお金を国に取られているのに気づけないみたいなことってものすごくありそうですよね。一度きちんと勉強しないとな。

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