【Netflix】情報化社会の恐ろしさを感じる韓国映画「操作された都市」

2022年5月7日土曜日

Netflix 映画

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韓国ドラマを多く紹介してきましたが、韓国映画も秀作揃いなので少しづつ紹介出来ればと思います。
今回は、2017年公開のSFミステリーアクション映画「操作された都市」。



あらすじ

ゲーマーで仕事もせずにゲームばかりしていた「隊長」ことクォン・ユ。
ある日、拾った携帯にかかってきた女からの電話で携帯を届けてくれればお金をくれると言うので届けに行くが、翌日その女性が殺されてしまう。



容疑者となったクォン・ユは無実の罪で投獄されてしまう。
獄中ではいびられ、生きる気力を無くしていたが、母親が必ずここから出すと告げにくる。
その言葉を胸に前を向いて生きていくクォン・ユだったが、母親が自殺したと告げられる。


母親が自殺などするはずがないと信じるクォン・ユは脱走を企てる。

なんとか刑務所の外に出たが、徒歩での逃走では警察の追っ手を巻ききれない。
そこに車が故障して困っている黒人夫婦がいて、車を直してあげたところその夫婦が逃走を手伝ってくれる。



警察から逃れて、母親と共に面会に来ていた人権派の弁護士の元を訪ねるが警察に通報されてしまう。

なんとか逃げ切ったクォン・ユだが、どうやって自分の無実と母親の死の真相を究明すれば良いか途方に暮れてしまう。
ネットカフェで情報収集をしているとゲーム仲間の「髭面兄貴」から連絡が入る。
リアルではじめて会う、「髭面兄貴」「龍の使い」「余白の美」「爆破」の4人と共に真相を求めた戦いがはじまる。



本作の見どころ


とにかく、内容がぎゅっと詰まっていて飽きない


あらすじで書かせていただいた内容が大体前半50分くらいの内容なのですが、とにかく内容が濃厚。
スピーディーに話しは進んでいるはずなのに、内容の濃さに前半で一回休憩を入れたくなるくらい。

後半ダレるかと思いきや、全くダレない。むしろ後半は心理戦とIT戦とアクションというモリモリの内容で一層濃い。
犯人は早い段階でわかるので、犯人は誰だ!?みたいなものよりも、圧倒的に包囲されている情報や権力者の中でたった5人で戦っていくゲリラ戦が見事で、まさにザ・チームといった感じ。


社会に適合出来ないからといって出来ない人ではない

主人公である「隊長」クォン・ユを筆頭に社会的にはうまく適用出来ていない5人。
しかし、自分達の本当に得意な事ならば誰にも負けない実力を発揮し、ゲームの中でいつも助けてもらっていたからと言う理由で隊長を助けに集まる。
自分の危険も省みず、チームのために自分の出来る事を精一杯やりつくす彼らが社会不適合者ならば、やっぱり彼らを適合出来ない世の中のシステムのほうがおかしいんだろうな。



全てがネットに繋がる恐怖


犯人は監視カメラを監視出来るし、必要となれば車の制御を奪ってしまう事も出来ます。
ドラマ「UP LOAD」の中でも出てきますが、車の制御がネット経由で行えるようになると、簡単に事故を引き起こせるようになってしまいます。

ネットに繋がる事が問題と言うよりも、そこにアクセス出来る人がそれを正しく使える人であるとは限らない事が問題。むしろそれだけ大きな力を人間がきちんと使える事はない。その前提にたって人間をどう制御すべきかを整備しないと危ない。



顔のない人々

この映画で一番怖いのは、犯人ではなく、むしろお金で雇われて平気な顔で遺体を片付けたり偽装工作をしているスタッフみたいな人々。無表情に淡々と作業をこなす彼ら。

村上春樹さんの小説「沈黙」に出てくる顔のない人々のような怖さがある。
彼らはどこにでも現れるしどれだけ駆逐しても現れる。
本当に恐ろしい。




最後に


本作はSFミステリーのジャンルに入るのではないかと思うのですが、韓国映画はどんどん新しいジャンルにチャレンジしてかなり良い作品を生み出していっているのではないかと思います。
2時間があっという間に過ぎる映画です。


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