本記事は、過去の記事から抜粋編集しております。
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あれから8年
過去の記事を書いたのが、2013年なので、2021年現在から考えると8年前。
福井福太郎さんがご存命であれば既に108歳を超えてらっしゃるかと思いますが、現在ご存命なのかは残念ながら私が調べた限りではわかりませんでした。
あれから8年。いよいよ、100歳とは言わないまでも、70歳で現役バリバリで働いています!と言うのがそんなに珍しくはなくなってきている世の中。
正直、60歳なんて病気されていなかったら、40歳より元気いっぱいな方たくさんいますよね。
無名な人の人生にこそ
しかし、福太郎さんのように普通の、無名の人の人生にこそ歴史があるものです。地方出身の4人の無名の少年たちが経験した激動の人生を鮮やかに描いた一クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国(上・下)_(集英社刊)を著した故・若桑みどり氏は、同著のあとがきでこのように書いています。「時代の流れを握った者だけが歴史を作るのではない。権力を握った者だけが偉大なのではない。(中略)もし無名の無数の人びとがみなヒーローでなかったら、歴史をたどることになんの意味があるだろうか。なぜならわたしたちの多くはその無名のひとりなのだから」福井福太郎さんは時代の流れを握ったわけでも、権力を握ったわけでもありませんが、歴史を動かす巨大なカに翻弄されながらも、100年という歴史を着実に刻んできた主人公です。無名だけれども、周りの人にとってはかけがえのない「ヒーロー」の人なのです。
2021年現在は、なかなか外出もできず、角打ちや立ち飲みのような居酒屋で、隣のおじさまたちの話を立ち聞きすることも難しい世の中になってしまいましたが、飲み屋の一番の楽しみって、実は、自分が知らない人たちがどんな話をしているのか聞くことだったりします。
今日も、どこかで名も無い人々の新しい歴史は生まれている。
必要とされること
本書の中でも何度も出てくるのですが、福井福太郎さんがなぜ100歳までサラリーマンでいられたのか?
時代や健康もそうですが、何よりも100歳になっても一緒に働いて欲しいとまわりの方がたに思ってもらえたから。
エクセルができる20代前半の人、でもなく、経理のプロの40代の人、でもなく、福井福太郎さんと働きたい、そう思ってもらえたからこそ、100歳になってもなをサラリーマンでいられるのですね。
ですから、96歳ぐらいの時に、いい加減にもう歳を取りすぎたから、会社を辞めようと思ったこともあるんです。でも退職を申し出たら、親友の未亡人である今の会社のオーナーが「ずっといてほしい。福井さんが会社に来てくれるだけでいい」と言ってくださったので、その言葉に甘えて働かせていただいている、というわけなのです。働くのは、生きている者の務め、使命ですから、働く場所があるなんて、ありがたいですね。
ご本人の言葉は、いつもゆっくりとしていて、なんだか幼い頃のおじいちゃんおばあちゃんのうちに遊びに来たときのようです。
2008年時点では、漠然と「会社で働いている」と言うことを前提に色々と考えていたけど、今となれば、「会社で働いていなかったとしても100歳まで働けるか?」と言うのは考えてしまいます。いずれにしても、「誰かに必要とされ、必要とされる価値を提供できる」からこそ人は社会の中で、社会の仕組みを生かして生きていける。
8年たって「働く場所があるなんて、ありがたいですね。」と言う言葉の深さがよりわかるようになったように思います。
参考図書
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今週の気になったニュース
1984のジョージ・オーウェル的な監視社会になるのか?みたいな話なのですが、嫌ですねー。そんなディストピア。
もっと楽しく、もっと自由な未来を作りたい。