たぶん、この本をはじめて読んだのは20代の頃だったと思うのだけど未だに強烈に覚えていて、生きていく上でいつも気をつけるようにしている。
「人は、みんながみんな自分で考えたいわけじゃない。」
自分の頭で考えることもないし、すごく楽だ
本書は、13歳の主人公の弟が殺人事件を起こし、弟がなぜそのような事をしたのか主人公が友人と共に探っていく話です。
酒鬼薔薇事件がモチーフであるとも言われています。
事件の背景にあった様々なことがわかって、主人公が弟に会いに施設に行ったときの会話。
「それはよかった。でも、もうあんな王子なんてどうでもいいんだ。僕はこの施設に来てよかったよ。ここでは、朝起きてから夜寝るまでやることが全て決まっているんだ。自分の頭で考えることもないし、すごく楽だ。それでわかったんだ。僕は人に命令されて動く人間だ。正しいことをきちんと決められてこなしていく方が誰にも迷惑をかけないからいいんだって。」カズシは明るく笑った。心の中が真空になるような気がした。僕の周りの空気がどんどん薄くなっていく。「言ってみれば僕は昔は悪いロボットで、今は正しいプログラムで動くロボットだ。機械はいいね。人間より全然いい。僕はこの学校出たら工学の勉強したいな。」そう言うとカズシは左の手首に巻いた数珠に触った。
普通はもしかしたら普通じゃないかもしれない
この物語を読んだことない方はなんのことやら、だと思いますがとにかく、私にとっては強烈に印象に残っているフレーズで、未だに「普通」だと思ったことには常に「本当にそれ普通か?」と考えるようになってしまう。
人は、自由でいたいし、お金がほしいし、幸せになりたい。
それは本当か?
あなたの価値観はあなただけのものだし、わたしの価値観はあなたに押し付けるものではない。
参考図書
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幸せって本当に難しい。少なくとも自分のことくらいは幸せにできるといいんだけど。