【書評】会社員こそ読むべき本、「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」

2021年5月28日金曜日

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はじめに

本記事は、過去の記事からの転載修正版です。

2013年10月に過去の記事を書いていますので、今読むとそんな事も知らずに生きていたの?と思う部分もありますが、人間誰しも初めて知ることというのはあるものです。
今読んでも、大学が土地の売上で運営している話などきちんと考えないといけない事例紹介ありますので、あえて2021年に再度ご紹介します。



概要

時間のない方は、第二章を読むだけでも価値があります。

この本のキモは第二章だと思いますので、第二章の内容をかいつまんで書いておきます。

何をやるか、よりもどうやるかが重要だ

カメラマンを例にして以下のように書いています。

例えば、カメラマンが独立してフリーになるとします。

カメラマンは、いい写真を撮ることがバリュー(価値)である、と思うでしょうか?
でも、今いい写真を撮れるカメラマンはたくさんいて、その中で独立して食べていくのは難しいはずです。
つまり、「いい写真を撮ります。いつでもご用命ください」というだけでは、食えません。

では、どうするか?
いろいろなパターンが考えられます。
観光地で写真を撮るカメラマンであれば、写真を撮ってその場でプリントして観光客に即売するというモデルもあるし、写真を撮ってあげて観光客に名刺を配り、ここにアクセスするとダウンロードできます、という販売方法もありえます。

後者で、ダウンロードする際にクレジットカード払いで100円、というシステムが構築できていれば、どちらが儲かるかというと後者でしょう。

(中略)

同じ写真を撮るのでも利益の幅がまったく違ってくるのです。


知り合いにセミプロのカメラマンがいます。
彼はカメラマンとしての活動だけでは食べていけないので、普段は会社員として働いています。

話しを聞く限り、カメラマンとしての収入はコンビニでアルバイトしたほうがずっと良い給料貰える程度でした。

お金を稼ぐと言う事が目的ではないとしても、生活に必要なお金が稼げれば、彼は間違いなく会社員としての仕事はせず好きなカメラだけを触って生きていけるのではないでしょうか。

どのようなバリュー(価値)、カメラマンなら写真、を提供するか、以上に、どのようにお金が入る仕組みを作るかが、重要。

それが、結局、バリュー(価値)を作り出す原動力になる、と言うのは、古い日本の価値観からすると軽視されすぎていたのではないでしょうか。

ハーバードもオックスフォードも教育では儲けてない

これは、個人的に衝撃的なお話しでした。

これは、ハーバードだけの事例ではありません。

イギリスの名門オックスフォード大学も、その土台は教育事業ではないのです。

こちらも世界有数の教育機関ですが、学生はいたって少ないため、とても授業料で利益を出すことはできないはずです。

では、どうやって利益を出しているのでしょうか?

実はオックスフォードはとても古い大学で、11世紀に設立されています。

当時、何もなかったオックスフォードの都市全体の大地主が、このオックスフォード大学なのです。

つまり、カラクリはこうなります。

大学が優秀な人材を集め、教育し輩出する。
そうすると街全体の価値が上がり、人が集まってくる。
大学は地主として不動産収益を上げるという仕組みなのです。


学生にバリュー(教育)を提供して、学生またはその親から収益を得るだけではなく、優秀な学生を排出する事で土地の価値を高めて収益を得る。

まさに、自分たちの持っているアセット(資産)を最も効率良くお金に変える方法を考えた結果ですね。

それによって学生またはその親は、バカみたいな学費を払わなくても良質な教育を受ける事も可能になり、まさに誰も傷つける事なく、優秀な教育を提供すると言う大学としての理想を実現している。

収益の方法を考える事は、そのバリューを受け取る側にとってもメリットのある事なんですよね。

どのように収益をあげるか考えるフレームワーク

著者が提唱するプロフィットモデルは以下のようなものです。
我々が企画を考えるときにも非常に有益なのではないでしょうか。

1.顧客

顧客を誰に設定するのか、とっても基本的なことなのですが、なかなか難しい問題です。

個人:個人顧客は一般的に小口のため顧客獲得コストが高く、利益率が低い
法人:法人顧客は、一般的に大口となるため利益率は高くなる
行政:取引が開始するまでに時間がかかるが取引がはじまれば大口かつ継続性が高い

2.商品

商品を何にするのか。これもとても基本的なことですが、本当にその作ったものを売るべきなのか?それ自体は無料では他で収益を得ることができないのか?は常に考えたいことです。

商品:商品そのもの メインとなる商品そのものが価値になっており、顧客もその価値に対してお金を払う
周辺商品:メインとなる商品そのものが価値の源泉になっているが、顧客が支払う代金の対象は周辺の商品群となっている
共感:顧客が感じる価値は、商品の背景にある物語や雰囲気、ブランド、会社に対する共感などの目に見えないものとなっている


3.課金の仕方

課金の仕方ひとつで提供するサービスすら変わってしまう。本当に大切なことです。

スポット:1回のサービス提供ごとにお金が入る。・毎回顧客を見つける必要があるため効率性は低い。
ストック:最初に契約すると継続的にお金が入ってくる
エクイティ:顧客の利用状況や成果に応じて収益があがる(従量課金・成功報酬型)


4.支払い方法

支払い方法が新しいだけで、新しいサービスになるくらい大事なことですね。特に近年はここの発展が凄まじい気がします。

本人が現金払い:商品に対して本人が現金で支払う。支払いの際に精神的痛みや手間が伴う
本人が簡単に支払い:クレジットカードや電子マネー、電話料金での引き落としなど。支払いが楽で実体感が薄く精神的負担が低い
第三者が支払い:顧客の代わりにその親や子供恋人が支払う。

5.資源

資源はサービスを継続する上でも本当に重要です。

自己調達:業者にお金を払って資源を調達する
タダ・バーターで調達:遊休資源や、保有しているスキル、知識などを使って仕入れコストをゼロにする。仕入れる代わりに別の価値を提供する
参加するメンバーが価値の資源:参加する人がたくさんいればいるほどビジネスの価値が高まる


最後に

第二章以外にも、独立する際の心構えや苦労したことなど、本当にためになる話がいっぱいです。

これから独立しようかな、と思っている方だけでなく、本当に会社員こそ読んでほしい本です。

以上です。


参考図書



今週の気になったニュース


2021年になってもテレビ界隈の人々は相変わらずでなんか虚しくなってきますね。



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