今まさに見るべきかもしれないドラマ「ミスター・サンシャイン」のご紹介。
本作は、2018年の放送で当時も結構話題になったのですね。
私は「二十五、二十一」のキム・テリさんを見て、過去の作品も見てみようという単純な動機で見始めたのですが、かなり重めのテーマでびっくり。
日本人で過去の歴史に詳しい方などは、もしかすると歴史認識の部分で楽しめない可能性もありますが、私は単純に映像の美しさと、戦争や階級制度がもたらす普通の人々への悲しい現実をもう一度考え直すきっかけとして本当にこのタイミングで見てよかったなと思いました。
あらすじ
イ・ビョンホンさん演じるユジン・チョイは、奴婢の子(wiki:身分の階級が低く差別的な扱いを受けていた)であり、両班(wiki:身分が高く支配的な立場にあった)のキム家に両親を殺され自身も手下に追われているところを様々な人に助けられ命からがらアメリカに渡り、それから30年後アメリカ軍人となっていた。
キム・テリさん演じるコ・エシンは、両班のお嬢様だが、隠れて新聞を読んだりオシャレよりも世の中の動きに興味を示す娘で見かねた祖父はそんなエシンに「結婚して夫に守られ花のように生きていきなさい」と言う。
(注意:エシンの父親と母親は国の今後を憂いて活動して死んでしまった過去があり祖父はエシンには死んでほしくないため国のことは他の人にまかせて穏やかに暮らしてほしいと願っている。)
エシンは、それならば死ぬといってその日から4日間ご飯を食べなくなってしまう。
見かねた祖父は、「肉が食べたいから猟師を呼びなさい」と部下に言い伝える。
「猟師」は義兵として活動している人物で、祖父は陰ながら義兵たちに資金援助をしていた。
祖父は、「猟師」にせめてあの子が自衛できるようにしてやってくれと頼む。
その日から、「猟師」は「師匠」になり、お嬢様は、スナイパーとして銃の打ち方を習うことになる。
1901年、ユジン・チョイは、韓国の領事館に派遣される。
その際に、日本に情報を売ったアメリカ人を狙撃し射殺することもミッションとして伝えられる。朝鮮についたユジンは、アメリカ人を狙撃し射殺するがその時同じようにアメリカ人を狙っていたスナイパーに会う。それはエシンだった。
一般人にまぎれて逃げる2人は、火薬の匂いでお互いにスナイパーであることを悟る。
2人は、朝鮮人のお嬢様とアメリカ人の軍人という立場でありながら惹かれ合い、激動の朝鮮に翻弄されながら生きていく。
見どころ
映像が綺麗
とにかく映像がハッとするほど綺麗で、とくに主人公のふたりがはじめて出会う狙撃のシーンや朝鮮のはじめて街頭が点灯するシーンなど映像を見るために見ても良いくらい。
ルパン3世みたいなイケメン3人と不二子ちゃんみたいな女主人
ユジン・チョイ(イ・ビョンホン)、ク・ドンメ(
ユ・ヨンソク)、キム・ヒソン(ピョン・ヨハン)は3人とも、コ・エシン(キム・テリ)が好きなので、良く喧嘩しているのですが、エシンがピンチだと3人して助けに来る姿がルパンみたいでカッコいいです。
特にク・ドンメは日本のヤクザ組織に属しているので日本刀を振り回して石川五右衛門みたい。
物語の大事な舞台となるグローリーホテルの女主人、工藤陽花(キム・ミンジョン)も韓国を日本に売ろうとしている父親を持ち母親が行方不明という悲しい過去を持ちながら男に媚びることなく激動の時代を力強く生き抜いている。実はとても強く不二子ちゃんみたい。
本作をきっかけに調べたこと
本作はもちろん単なるエンタメとしても十分楽しめますが、時代背景を知るとよりどんな事が起きていたのか理解できて楽しめるかと思います。
私もよくわからないことが多かったので、いろいろと調べながら見てよりいろんな事を楽しみながら見ることができました。
1901年って、どんな時代だったか
ふたりが出会うのが1901年です。
この時代は韓国にとってどんな時代だったかを簡単に理解するとより物語が楽しめるかと思います。
参考になったのは以下
この動画の中でも言ってますが、なかなか韓国の歴史や日本との関係についてはいろんな意見があり、単純にこうだと言い切るのが難しいようですが、何があったのか(あったと言われているのか)を調べて、個人個人として自分なりの理解をすることにこそ価値があるのではないかと思います。
動画の10分くらいまでの時間でさらっと流れていく歴史の話が本作の舞台かと思います。
歴史として学ぶとたった3行くらいのものになってしまう中には24話にも収まりきらないくらいの人々の生活や思いがあり戦争は本当に誰のことも幸せにしない。
以下は、オンライン駐日韓国文化院さんの動画。韓国からみたときの歴史を日本語で知ることができます。本作に関係しそうな箇所は最後の数分だけですが、逆側からみたらどう見えるのかを知るためにもこういった意見を知っておくのはとても重要かと。
また、以下は日本がなんで戦争に向かっていってしまったのかをざっくりと知るためには良いかと。ちょっと言葉づかいがどうかと言う部分はありますが。
今まさに見るべきかもしれないドラマ
本作の中では、朝鮮半島が日本とロシアや中国との争いに巻き込まれひどい状況になります。祖先がやったこととは言え、我々も何があったのかを知ることは大事ではないでしょうか。
2022年3月、ロシアとウクライナで戦争が起きていますが、日本もかつては他国と戦争をしていた歴史があります。
本作で描かれる日本が全て正しいわけではないかもしれませんが、少なくとも「美しくて無益なものが好き」なだけの人の人生の空を見上げる機会を奪ってしまった可能性は否定できないかと思います。
戦争が起きてしまう理由はいろいろとあるのかもしれませんが、結果はいつも「悲しい結末(サッドエンディング)」であることは、歴史が証明しています。